前回の間欠滅菌のご紹介に引き続き、
今回は
高温高圧滅菌についてご紹介していきます。
書いてて暑くなりそうな内容ですが…。
高温高圧滅菌とは、
ピアスを愛する人には馴染み深い
"オートクレーブ"という装置によって行う滅菌のことです。
大気圧以上の圧力をかけることで水の沸点を引き上げ、
それによる高温で滅菌を行います。
滅菌は、ただ高温にすればいいというものではありません。
例えば、オーブンなどを使用した乾熱滅菌では
180℃以上という高温であっても30分以上の時間がかかったり、
一部の芽胞は300℃以上でも滅菌できない場合があります。
しかし、オートクレーブによる高温高圧滅菌では
"水分のある状態で"、"120℃以上"の高温下におくことにより、
乾熱滅菌以上の効果が期待できます。
「高温高圧滅菌はオートクレーブが要るんじゃないの??」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
が、個人が気軽に入手できるもので
オートクレーブ同様の"2気圧120℃以上"を達成できるものがあります。
煮込み料理の味方"
圧力鍋"です。
以下、簡単に説明を。
◆
準備するもの◆
・
圧力鍋 2気圧以上に設定できるものであれば結構です。
…が、事故の多い調理器具ですので、
安全性をクリアしたメーカー品であるほうが良いかと思います。
・
圧力鍋用蒸し器・
鍋内に収まる小型の金属製ざる ピアスをざるに入れて圧力鍋にかけます。
なくても結構ですが、あれば便利です。
最近よく見かける、シリコン製のものでも良いです。
・
中性洗剤、歯ブラシなど 処理する前に、ピアスを洗浄しておくのが良いでしょう。
※準備できるようであれば滅菌パックもあると良いですが、
個人で楽しむ分であれば必要ありません。
◆
滅菌方法◆
①
滅菌するピアスを洗浄しておく 中性洗剤でピアスを綺麗に洗っておきます。
パーツは外して行いましょう。
この時、準備したざるの中で行うと紛失の心配がありません。
洗浄後はざるに入れたままで。
②
圧力鍋に蒸し器をセットし、ざるごとピアスを入れる 圧力鍋に水を入れて蒸し器をセットし、
その上にピアスを置きます。
③
2気圧で30分ほど加圧する 2気圧121度でしたら通常20分で滅菌可能ですが、
圧力鍋ということなのでちょっと長めに加圧します。
④
ざるごと取出し、乾燥させる 終了したら、蒸気に気をつけながら取り出します。
ざるに入れずに圧力鍋にかけた場合は
中が十分に冷めるまで待ったほうがよいでしょう。
◆
滅菌時の注意事項◆
・
取扱説明書の指示に従って使用しましょう 圧力鍋は使用方法を間違えると大変危険です。
事故を起こしてしまわないよう、
事前に圧力鍋の取扱説明書にしっかり目を通しておきましょう。
・
熱に弱いもの、水分に弱いものは滅菌できません ジルコニアや天然素材のものは
変形・変質してしまう恐れがあります。
サージカル・チタンなどの金属、ガラス、シリコンは滅菌可能です。
圧力鍋が必要となりますが、
以前紹介した間欠滅菌より短時間で済み、
何より間欠滅菌以上の効果が期待できます。
あくまで個人で楽しむ目的の滅菌ですので、
業務目的で行うのはご遠慮いただきたいです。
滅菌で安全・安心なピアスライフを。
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